むし歯治療

見えない部分まで丁寧なむし歯治療
むし歯を取り残さない

むし歯治療後に再びむし歯になってしまうことがあります。これは「二次カリエス」と言い、治療の際にむし歯に感染した部分が取り残されてしまうことが原因の一つ。
肉眼での確認だけでは、どうしても見落としが起こりやすいもの。
そこで当院では、「カリエスチェッカー」という特殊な薬剤を使用し、むし歯を見逃さないよう徹底しています。
この薬剤は、むし歯に感染した部分だけを染め出せる検知液のこと。染色部すべてを取り除くことで、取り残しや削りすぎを防ぎます。
見えないところまで丁寧な治療

歯科治療は、お口の中をいじられるので、一体何をしているのかよくわからないですよね。
「見えないからって、雑な治療をされても気づかないんじゃないか…」
そう思ってしまう方もいるかもしれません。
ご安心ください。当院では、患者さんの目に見えない部分も丁寧に、そして誠実に治療することを心がけています。
歯の詰め物や被せ物の型取りをする際も丁寧に行います。たとえば、歯と詰め物の隙間をなくすために「圧排糸」という細い糸を歯茎に沿って入れることで、より精密な型取りを可能にしています。これは保険診療でも同様です。
目に見える部分はもちろん、見えない部分まで丁寧に仕上げることで治療後の見た目の美しさだけでなく、お口の健康を長く保つことができるのです。丁寧な治療と定期的なお口のメンテナンスを徹底することで、再治療のリスクを減らします。
むし歯予防もしっかり

むし歯は、どのようにしてできるかご存じですか?
むし歯とは、歯垢の中に存在する「ミュータンス菌」が出す酸によって歯の表面のエナメル質が溶かされてしまう病気です。ミュータンス菌は、私たちが食べたもの、特に糖分をエサにして酸を作り出します。
つまり、むし歯の原因は、細菌(ミュータンス菌)、糖質(甘いお菓子やジュース)、歯の質の3つの要素が重なり、時間が経つにつれてむし歯が進行していきます。
むし歯予防の基本は、毎日の歯磨きで歯垢をしっかり落とすこと。それに加えて、間食の回数を減らす、甘いものを食べ過ぎないといった食習慣の改善も必要です。
また、フッ素を取り入れた予防はとても重要です。
当院では予防治療、定期的なクリーニングに力を入れています。担当の衛生士さんへぜひご相談ください。
治療時の痛みに配慮

「歯医者さんって、痛そうで怖い」
そのようなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
確かにむし歯治療では、時に痛みを伴う処置が必要になることもあります。
実は、私自身も痛みに弱いため、患者さんの気持ちが痛いほどよくわかります。
そこで当院では、患者さんにできるだけリラックスして治療を受けていただけるよう、さまざまな工夫を取り入れました。
たとえば、表面をしっかり作用させ、麻酔注射の際は、極細の針を使用し、薬剤をゆっくりと注入することで注入時の圧力による痛みを抑えています。また、電動麻酔注射器を使用することで一定の圧力で薬剤を注入し、痛みを軽減しています。
患者さんへの気配りも忘れません。痛みを感じやすい方には、事前にしっかりと麻酔を効かせるように配慮するのはもちろんのこと、治療中もお声がけし、不安を取り除くよう努めています。
万が一、治療中に痛みを感じた場合は、我慢せずに遠慮なくお申し出ください。
むし歯治療の流れ
検査・診断

まず、ご来院いただいた際に問診票をご記入いただき、現在の症状や過去の治療歴などについて詳しくお伺いします。
その後、お口の中を丁寧に検査し、レントゲン撮影や口腔内写真撮影を行います。検査内容に関して疑問や不安などございましたら、ご遠慮なくお尋ねください。
これらの検査結果を総合的に判断し、ご希望をお伺いしながら患者さん一人ひとりに合った治療法をご提案いたします。
治療
むし歯の進行度合いはC0からC4まで分類され、それぞれ治療法が異なります。
C0(初期むし歯)
歯の表面に白い濁りや黒い部分が見られることもありますが、この段階では必ずしも治療が必要とは限りません。経過観察を行いながら、歯磨き指導などの予防処置を優先的に行います。
C1(エナメル質のむし歯)
歯の表面のエナメル質に小さな穴があいている状態です。この場合は、むし歯の箇所を削り、コンポジットレジン(CR)という白い詰め物で治療を行います。
C2(象牙質までのむし歯)
むし歯がエナメル質の下の象牙質にまで達した状態です。冷たいものや熱いものがしみることが多くなります。むし歯の部分を削り、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を装着して歯の機能を回復させます。
C3(歯髄までのむし歯)
むし歯がさらに進行し、歯の神経(歯髄)にまで達した状態。激しい痛みを伴うことが特徴です。麻酔をして歯を削り、神経を取り除く治療(抜髄)を行います。その後、根管治療を開始します。
C4(歯根までのむし歯)

むし歯が歯の根っこ(歯根)にまで達し、歯冠部分がほとんどなくなってしまった状態です。歯を残せる可能性があれば根管治療を行いますが、状態によっては抜歯が必要になることもあります。
たとえば、C2で詰め物や被せ物の治療が必要な場合、まず麻酔をしてむし歯の部分を丁寧に削り取ります。そして詰め物や被せ物を作るために、お口の中の型取りを行います。
詰め物や被せ物が完成するまでの間は、仮の詰め物を装着していただくことが多いです。後日、完成した詰め物や被せ物を装着し、噛み合わせなどを細かく調整します。
むし歯の治療は、進行度合いによって異なります。C1のように初期のむし歯であれば1回の治療で終わることもありますが、C2以降のむし歯になると複数回の通院が必要です。
特に、神経の治療(根管治療)が必要な場合は、数回の通院が必要となりますので、あらかじめご了承ください。
メンテナンス

むし歯治療が完了したら、それで終わりではありません。せっかく治療した歯も日々の生活の中で再びむし歯になってしまう可能性があります。また、治療していない他の歯がむし歯になったり、詰め物や被せ物が劣化したりすることもあります。
また近年、お口の健康を保つことは、全身の健康に繋がることが証明されております。
患者さんの中には、お口や歯がキレイだと、友達や家族から褒められたり、お話やお食事をするのが楽しくなったとおっしゃってくれる方もいらっしゃいます。口元を隠さず、思い切り笑えて笑顔に自信が持てたとおっしゃってくれる方もいらっしゃいます。
患者さんのQOLを改善するお手伝いができるこのお仕事に、とてもやりがいを感じる瞬間です。
お口の健康を長く保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。3~6ヶ月に1回程度を目安に歯科医院でプロのケアを受けることをおすすめします。当院ではメンテナンス治療に力を入れております。ぜひ担当の衛生士へお気軽にご相談ください。
治療後の詰め物・被せ物について
むし歯の部分を削り取った後は、詰め物や被せ物をして歯の機能を回復させる必要があります。
詰め物や被せ物には、さまざまな材料があり、むし歯の状態や部位、患者さんの希望や予算などを考慮しながら、ご自身に合った素材を選択することが重要です。
レジン(コンポジットレジン)

レジンはプラスチックの一種で、歯と同じ白色で見た目が自然な材料です。歯を削る量が少ない小~中程度のむし歯や前歯、小臼歯の治療に適しています。
1回の治療で完了できることも大きなメリットです。また、保険適用のため比較的安価で治療を受けられます。
しかし、レジンは経年によって変色したり摩耗したりする可能性があり、金属やセラミックに比べると欠けたり取れやすいなど強度や耐久性に劣るという点も考慮する必要があるでしょう。
銀歯(金銀パラジウム合金)

銀歯は強度が高く、耐久性に優れているため、長持ちするのが特徴です。奥歯の大きなむし歯や強い力がかかる部位に適しています。また、噛み合わせの調整がしやすいこともメリットです。保険適用のため、比較的安価で治療を受けられます。
しかし、審美性に劣るという側面があります。また、金属アレルギーを引き起こす可能性もゼロではありません。
セラミック

セラミックは、歯科治療に用いられる陶材の一種です。
天然歯に最も近い自然な見た目と色調を再現できるのが特徴で、前歯など見た目を重視する部位や、金属アレルギーがある場合に適しています。また、変色や着色に強く、長期間にわたって美しい状態を保てます。
しかし、セラミックは自由診療となるため、保険診療と比較すると高額にはなってしまいます。
ゴールド

ゴールドは非常に高い耐久性と適合性を持ち、長持ちするのが特徴です。歯との馴染みが良く、咬み心地が自然なのもメリットです。奥歯の大きなむし歯や、耐久性を重視する場合に適しています。
しかし、ゴールドは自由診療となるため、治療費が高額になります。また、金色の見た目が目立つため、審美面では気になる方もいるかもしれません。
根管治療について
むし歯が歯の神経まで達してしまうと、激しい痛みが出てしまうことがあります。このような場合は、根管治療が必要になります。
根管治療とは
根管治療は、歯の内部にある歯髄(神経や血管)がむし歯菌に感染し、炎症を起こしている場合に行う治療法です。
根管治療は、以下の手順で行われます。
1.感染した歯髄の除去
歯に小さな穴を開け、そこから特殊な器具を使って感染した歯髄を丁寧に取り除きます。
2.根管内の洗浄・消毒
歯髄を取り除いた後は、根管の中をきれいに洗浄し、薬剤を使って消毒します。
3.根管内に薬剤を充填
根管の中をしっかりと消毒した後、細菌が再び侵入しないように、薬剤を隙間なく充填します。

根管治療の目的は、歯を残すことと、むし歯による痛みを取り除くことです。重度のむし歯で本来であれば歯を抜かなければならないような状況でも、根管治療を行うことで歯を残せる可能性があります。
ただし、根管治療は複数回の通院が必要となる治療です。歯の根の中の複雑な構造を丁寧に治療していくため、治療期間が長くなることをご理解ください。
治療が必要な主な症状
以下の症状がある場合、根管治療が必要となる可能性があります。
- 冷たいものや熱いものがしみる
- 噛むと痛みを感じる
- 何もしていなくてもズキズキ痛む
- 歯茎が腫れている
- 歯が黒ずんだり、灰色がかったりしている
もし上記のような症状がある場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
子どものむし歯治療

「乳歯は、いずれ生え替わるから」と、お子さんのむし歯を放置してしまうのは、非常に危険です。
のむし歯を放置すると、そこから細菌が入り込み、生えてくる永久歯もむし歯になりやすくなってしまいます。特に、永久歯は生えたばかりの頃が最もむし歯になりやすい状態です。
またおいしくご飯が食べれず栄養を効率的に取ることができずなかったり、見た目を気にするお子さんもいらっしゃいます。
当院では、お子さんが怖がらないように、まずは歯科医院の雰囲気に慣れていただくことから始めます。実際使う器具を直接触ってもらって興味をもってもらったり、安心だよということをお子さんに体験してもらいます。無理に治療を進めることはせず、お子さんのペースに合わせて少しずつ治療を進めていきます。
ご自宅でのセルフケアのご相談もお気軽にお声掛けください。アプリを使って楽しくブラッシングする方法から、フッ素を使ったケア、ブラッシング指導など、親子で楽しみながら虫歯予防ができるようなご提案をいたします。
また、定期的なメンテナンスを取り入れた予防治療に力を入れております。ぜひお気軽にご相談ください。