噛み合わせ

噛み合わせを重視した包括的な歯科治療をご提案します
噛み合わせの重要性

私たちは毎日、食事をしたり話したりする際に、無意識のうちに歯を噛み合わせています。
この「噛み合わせ」は、食べ物を噛み砕くためだけのものではありません。歯は、1本でも失うとドミノ倒しのように、周りの歯や顎、そして全身の健康にまで悪影響を及ぼす可能性があります。
歯を失った部分の顎の骨は、支える歯がなくなったことで徐々に吸収され、痩せていきます。すると、周りの歯が傾いたり、噛み合う相手の歯が伸びてきたりして、歯並び全体が乱れてしまうのです。それにより、顔のラインが崩れ、老けて見える原因にもなります。
歯並びの乱れが、顎関節や首、肩周りの筋肉に負担をかけ、頭痛、肩こり、腰痛、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。また、食べ物を十分に噛み砕けなくなるため、消化不良を起こしやすくなることも。さらに、咀嚼回数が減ることで脳への刺激が不足し、認知症のリスクを高めることさえあるのです。
当院では、このような噛み合わせの重要性を深く理解し、患者さん一人ひとりに合った治療をご提案しています。
歯が抜けたまま放置

抜けた歯の本数や場所、年齢などによって異なりますが、歯が抜けたまま放置することで将来的に大きな問題を抱える可能性があります。
たとえば、奥歯を失った場合、前歯で噛み砕く癖がついてしまうことがあります。すると、前歯に過度な負担がかかり、次第に前歯が前に出てきてしまったり、歯と歯の間に隙間が空いてしまったりする可能性があるのです。
また、歯が抜けた部分の歯茎は徐々に痩せていき、顎の骨も吸収されて減少していきます。その結果、周囲の歯が傾いたり、噛み合わせの歯が伸びてきたりして、歯並び全体が乱れてしまうのです。
さらに、顎の骨の減少は、顔貌の変化にもつながります。頬がこけたり、口元にしわが増えたりして、老けた印象を与えてしまうことも。
加えて、噛み合わせが悪くなることで、顎関節症のリスクが高まります。顎関節症は、顎の関節や周りの筋肉に痛みや違和感、口が開けにくいなどの症状を引き起こす病気です。
そして、食べ物をうまく噛み砕けなくなることで、消化不良を起こしやすくなることも忘れてはいけません。消化不良は、胃もたれや腹痛、便秘などを引き起こし、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
歯と認知症の関係は?

歯を喪失し、入れ歯を入れずにそのまま放置している人は、20本以上歯が残っている人と比べて認知症の発症リスクが約2倍高くなると報告されています。 歯周病等で歯を失うと、審美面だけではなく、かむ力の低下や栄養の偏りなどが起こり、認知機能が低下すると考えられています。
しっかりと噛んで物を食べることが脳に刺激となり、バランスのとれた食事をすることは脳を含め体の健康に繋がること、以上の事がうまく結びついて認知症の予防や進行の抑制に大きな効果の一つになります。
このように、歯が抜けたまま放置すると、口の中の健康だけでなく、全身の健康や見た目にも悪影響を及ぼす可能性があります。歯を失ってしまった場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
歯を失った場合の治療法
歯を失った場合の治療法としては、主に以下の3つが挙げられます。
入れ歯

入れ歯は、失った歯の代わりに人工の歯を装着する、取り外し式の装置です。保険適用となるものから、自費診療のものまでさまざまな種類があります。
ブリッジ

ブリッジは、両隣の歯を支えにして、橋渡しのように人工の歯を固定する治療法です。固定式なので安定感があり、違和感も少ないのが特徴です。
インプラント

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。固定式で安定感があり、噛む力も強く、自分の歯のように自然に感じられます。
入れ歯が合わない
入れ歯を使用している方の中には、「入れ歯が合わない」という悩みを抱えている方も少なくありません。入れ歯が合わない原因は、以下の点が考えられます。
- 噛み合わせが合っていない
- 歯茎の形が変わってしまった
- 入れ歯の材質が合っていない
- お手入れ不足
メンテナンス・修理のすすめ

入れ歯が合わなくなったり、安定剤に頼ってしまったりする原因の一つに、入れ歯と歯茎の間の隙間が挙げられます。この隙間は、入れ歯の経年劣化や、歯茎の変化によって生じます。
隙間を埋めるために、市販の入れ歯安定剤を使用する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、安定剤の種類によっては、歯茎に悪影響を及ぼす可能性もあります。たとえば、ガムタイプの安定剤は、厚みがあるため、歯茎への負担が大きくなり、歯茎の変化を加速させてしまう可能性も。
入れ歯は、毎日使用することで徐々に劣化していきます。そのため、快適に使い続けるためには、定期的なメンテナンスや修理が欠かせません。
入れ歯が破損したり、変形したりした場合は、自己流で修理するのではなく、当院にご相談ください。
見た目への影響

入れ歯が口元に与える影響は、想像以上に大きいものです。入れ歯がずれていたり、浮いていたりすると、どうしても口元が不自然に見えてしまい、相手に与える印象も変わってしまう可能性があります。
たとえば、会話中に口元を手で隠してしまったり、笑う時に口を大きく開けられなかったりすると、自信なさげな印象を与えてしまうかもしれません。
しかし、入れ歯を適切に調整することで、これらの問題は解決できる可能性があります。口元の印象が明るくなれば会話もより楽しくなり、積極的な気持ちになれるはずです。
詰め物・被せ物が合わない
せっかく治療を受けても、詰め物や被せ物が合わなくなってしまうことがあります。その原因として、以下の2つが考えられます。
フィットしていない

詰め物や被せ物は、歯科技工士が患者さんの歯型に合わせて丁寧に作製しますが、それでもフィットしない場合があります。
これは、歯型取りの精度や作製過程でのわずかな誤差、あるいは治療後の歯茎の変化などが原因で起こりえます。詰め物や被せ物と歯の間に隙間があると、細菌が侵入しやすくなり、むし歯や歯周病が再発してしまうリスクが高まる可能性が。
もし違和感を覚えたら、早めにご相談ください。
経年劣化

どんなに丈夫な素材で作られた詰め物や被せ物でも、長年使用していると経年劣化によって変形したり、破損したりすることがあります。
これは、材質そのものが劣化したり、噛む力による摩耗や歯ぎしり、食いしばりなどが原因です。また、詰め物や被せ物の種類や材質、口腔内の環境、そして毎日のケアによっても、劣化のスピードは異なります。
経年劣化によって詰め物や被せ物が合わなくなると、むし歯や歯周病が再発してしまうリスクが高まったり、噛み合わせのバランスが崩れたりすることがあります。
さらに、詰め物や被せ物が外れてしまうことも。外れた詰め物や被せ物をそのまま放置すると歯が欠けたり、割れたりする原因にもなりますので注意が必要です。
定期的に歯科検診を受け、詰め物や被せ物の状態をチェックしてもらうようにしましょう。
耐久性に優れたセラミック製の素材

むし歯治療などで歯を削った後、詰め物や被せ物をする必要があります。これらの素材には、金属、セラミック、レジンなどさまざまな種類がありますが、耐久性に優れたセラミックがおすすめです。
セラミックは陶材の一種。天然歯に近い色や透明感を再現できるため、周囲の歯に馴染みやすいのがメリット。優れた耐久性を持っており、長持ちしやすいのも特徴です。また、コーヒーや紅茶、カレーなどの色の濃い食べ物や飲み物による着色やタバコのヤニによる変色がほとんどありません。
さらに、セラミックは表面が滑らかで汚れが付きにくいため、むし歯菌が繁殖しにくく、むし歯の再発予防に効果が期待できます。
金属アレルギーの心配もなく、審美性・耐久性にも優れているため、詰め物や被せ物の素材としてセラミックを選ぶ人が増えています。詰め物や被せ物をする際には、セラミックを選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。